Nikon F5 50th Anniversary 再起動(その1)
Nikon F5 50th Anniversary model のために入手していたフィルム時代の銘玉、AF Nikkor 85mm f:1.4 D 。近頃ようやく使う気持ちが生じてきた。やはりこれも春のエネルギーのなせる業だろうか。"Spring"とはよく言ったものだ。
そんな気持ちに押され、10月頃から横目で一瞥しては結局ずっと触っていなかった F5 をようやく今日保管庫から出してみた。いつ見てもカッコ良いんだがやはりこの塊り感の触感も最高だ。ストラップはF5の標準モデルはしょぼいロゴ入りの細めのものなのだが、この50周年記念モデルは現在の上位モデルと同様のしっかりとした5cm幅のNikonカラー特製ストラップが付いている。F5は長年使うつもりなので2台保有しており、今日持ち出したこいつは少しヤレている個体で、あともう一台、箱入り娘がいる。
少なくとも10月くらいからF5は触っていなかったのでバッテリーパックはとっくに自己放電で干上がっているだろうと思っていたら、驚いた事にパネル表示上はフル充電状態のままだった。流石はプロ機だなと感心。他に驚いた事に、てっきり空だと思っていたフィルム室には何やら入っているようじゃないか!フィルムカウントも既に11を示していた。何やら俺は撮影していたらしいぞ。まずいな。完全に記憶が揮発しているよ・・。
確認窓から見えるフィルムの銘柄は400TMY。当然記憶に無いので調べてみるとKodakのT-Max400らしい。しかもF5に装着されている新品同様のSIGMA 105mm DG Macro、こんなレンズ俺持っていたっけ?機敏に動く完動品だが、俺いつ買ったんだろうか・・。痴呆??眺めているうちに、頭の靄が少しづつだが晴れてきた。そうだ。今日改めて気づかされたが、昨年の10月以降、年の瀬まで写真どころじゃなかったんだ。その頃の記憶がかなり飛んでしまっている。このレンズを買ったのは確か9月頃だったような・・。10月頃何かを撮影しようとしてたんだね。虚な気持ちで。おつかれさんだったね、俺。
Springに浮かされたとは言えまだまだ本調子ではない心持ちなんだが、とにかく今日、重戦車のような F5 を持ち出す気持ちになった事は大きな一歩前進だ。2枚だけだが、今日もフィルムカウンターを進める事が出来た。官能的な「シャコッ」という巻き上げ音と一体化したシャッター音を聴きながら考えていた。10月頃の10枚は一体どんな気持ちで何を撮ってたんだろうか?と。苦い思い出になるだろうがそういった記憶の反芻が出来るもフィルムカメラの楽しみの一つだ。24枚撮りなので残りあと12枚、さあ何を撮ろうか。
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