Helmet

 もし写真以外の趣味は?と人から聞かれると「革ジャン」と答えるだろう。クローゼットには収まりきらず、壁に、廊下に、といかした革ジャン達がぶら下がってる。自分の影響で彼女も革ジャンに開眼し、女性としては結構な革ジャン持ちになっていたね。

自分としては本当は趣味は「モーターサイクル」と答えたかったのだが、燃えたSRX600を最後にモーターサイクルは封印していたんだ。二度と乗る事はないかな、とも考えていた。その一方でどこかでバイク乗りであり続けたいと考えていたのかも知れない。満たされない気持ちを革ジャンやブーツで満たしていたのかも知れない。けれどもヘルメットは買うことは無かった。ヘルメットを買うことは即ちモーターサイクルに乗ることを意味するからだ。その気持ちは二人で摘み取っていたんだ。

旅立つ1年前位からだろうか、時たま折りに触れて、「ハーレーショップに行きたいね」とか「あれ何CC?」とかモーターサイクルの事をそれとなく話題にするようになっていた彼女だった。私から「また乗ってみようかな」の一言を待っていたのかもしれない。でも危険性や費用の事を考え、いつも気のない返事ではぐらかしてきた。

彼女は私の元を離れて空に旅立った。20年振りにヘルメットを購入した私の事をどう思うだろうか?「良かったね。」と応援してくれるのだろうか。きっとそうだと思っている。

Nikon1 V1 / 1 Nikkor 32mm f:1.2



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